リサイクルトナーを利用するときにはリサイクル業者のサービスを確認するのが重要です。リサイクルトナーは引き取りをしてトナーを充填してから届けてくれるサービスと、ワンウェイでリサイクル品を販売しているだけのサービスがあります。
この記事では引き取りと充填をするサービスに着目してメリットとデメリットを紹介します。
トナーの使用回数を自社管理できる
リサイクルトナーの引き取りと充填をするサービスの最大のメリットは、トナーカートリッジの使用回数を自社管理できることです。トナーカートリッジは使えば使うほど劣化していきます。劣化が著しく進行してしまうと印刷の際ににじみや抜けが生じやすくなるだけでなく、複合機やプリンターなどに認識されなくなるリスクもあります。
トナーカートリッジの耐久性の高さはメーカーによって違いがありますが、あまり古くなったトナーカートリッジは廃棄して新しいものに切り替えていくのが重要です。ワンウェイ式で販売されているリサイクルトナーの場合には何回リサイクルされたものだかがわかりません。
リサイクル業者に問い合わせると教えてもらえる可能性もありますが、あくまで社内でリサイクルした回数がカウントされているだけで、それ以前のことはわからない場合がほとんどです。業者に入ってきた時点でもう10回近くリサイクルされている可能性もあります。
そのため、使っていたらかなりもう劣化していて、使用途中でにじみなどの不具合が発生してしまうこともあり得ます。しかし、自社管理をしていればおよそ何回で劣化による不具合が生じてくるかを経験的に理解できます。
これ以上のリサイクルはリスクが高いというところで線引きをしてリサイクルをやめることが可能です。引き取りと充填のサービスでは、自社が引き取りを依頼したトナーカートリッジに充填して持ってきてもらえるため、このような管理を正確に行えるのがメリットです。
トナーのリサイクル回数の管理負担がかかる
引き取りと充填のサービスがあるリサイクル業者を利用する際のデメリットとして、リサイクル回数について自社で責任を負わなければならないことが挙げられます。個々のトナーカートリッジについて、何度リサイクルしたのかを記録していき、引き取りに出す前に上限値に達したかどうかを判断することが必要です。
リサイクル回数の管理負担がかかる点には留意しなければならないでしょう。管理のためにはルールやマニュアルを作成する必要があります。責任者を置いて管理させることも重要になるため、仕組み作りの時点で負担がある点にも注意が必要です。
もし引き取りと充填のサービスを利用して、リサイクル回数の管理を行わなかったとしたらどうなるのでしょうか。最初のうちは何も問題になりませんが、ある時に突然不具合が発生してしまって印刷できなくなってしまいます。
新品のトナーを発注し、手元に届けてもらうまでは印刷が必要な業務は滞ることになるでしょう。そのため、トナーカートリッジのリサイクル回数の管理は徹底して実施することが欠かせません。
リサイクル費用は安上がりになることが多い
リサイクルトナーの引き取りと充填をするサービスを利用すると、ワンウェイで購入できるサービスに比べて費用が安上がりになることが多いのがメリットです。ワンウェイの場合にはリサイクル業者は在庫リスクを抱えなければなりません、トナーカートリッジを入手してトナーを充填しても、買い手がいなかったら在庫になってしまいます。
売れる前にトナーが劣化してしまったら損失になるだけでなく、倉庫を十分に用意しなければならないのが問題点です。しかし、リサイクルトナーの引き取りと充填のサービスでは在庫リスクがありません。依頼主がリサイクルしたトナーを必ず買ってくれるからです。
在庫管理コストもかからないので、リサイクル費用をその分だけ下げることができます。安くしているかどうかは業者次第ですが、概してランニングコストを抑えやすいリサイクルトナーのサービスです。
距離があると引き取りのコストがかさむ
引き取りをしてもらうときのデメリットとして、遠方から引き取りに来てもらうとコストがかさむことが挙げられます。無料で引き取りをしている業者であれば問題はありませんが、有料の場合には距離が遠くなると手数料が高くなるのが一般的です。
リサイクル費用は安くても手数料が高くて結局はコスト的にメリットがなくなってしまうこともあるので注意しましょう。
持ち込みの手間とコストがかからない
リサイクルトナーの引き取りに来てくれるサービスは、持ち込みの手間やコストがないのもメリットです。自社で使用したトナーカートリッジにトナーを充填してくれるサービスには持ち込み式のものもあります。リサイクル工場の窓口に持参するとリサイクルに対応してくれる仕組みで、早い場合にはその日のうちに充填を終えてくれます。
しかし、目と鼻の先に工場がある場合を除くと、運ぶ手間も運賃もかかるのがデメリットです。引き取り式ならリサイクル業者に来てもらえるのでこのような負担が一切ありません。トナー関連の業務負担を減らすにはうってつけの方法でしょう。
在庫が十分にないと業務が滞る
リサイクルトナーの引き取りと充填をするサービスを利用する際には在庫を十分に持たなければならないのがデメリットです。リサイクルには数時間から数日くらいはかかり、さらに引き取りと配達に半日くらいずつかかる場合もあるでしょう。
すると、引き取ってもらったトナーは数日間は使用できないことになります。その間に業務が滞ってしまわないようにするためには、トナーの在庫を常に持っておかなければなりません。少なくとも複合機やプリンターの種類に応じてトナーを1つずつは用意しておくことが必要でしょう。
可能であれば印刷機器の台数分だけトナーを在庫として確保しておくのが良いと言えます。在庫管理コストがかかることになるため、費用対効果が高いかどうかは慎重に試算して判断する必要があります。
リサイクルトナーの引き取りと充填の善し悪しを考えて使おう
リサイクル業者が使用済みのトナーカートリッジを引き取りに来て充填後に納品してもらえるサービスは、手間がかからず、自社で使用回数の管理を行えるのがメリットです。在庫を抱えなければならないなどのデメリットもあるので、これからリサイクルトナーを使っていきたいと考えた際には現場に合っているかをよく考えてみましょう。