複合機やコピー機で印刷をする際に欠かせないものであるトナー、近頃オフィスで利用されているものの中には純正品の他に、環境に優しくコストパフォーマンスに優れたリサイクルトナーというものがあります。安価で手に入りやすい上に品質も高く利用する企業も多いのですが、その一方で廃棄するのが難しいという一面もあります。
そこでここではリサイクルトナーの正しい捨て方について簡単にご紹介します。
そもそもリサイクルトナーとは?
そもそもリサイクルトナーとは、純正の使用済みトカートリッジを再生したもののことを指します。近年、限りある資源を大切にし、日常で排出されるゴミを減らすエコロジーの観点から、多くのオフィスで使用され廃棄されるトナーをリサイクルし再利用する運動が盛んに行われるようになりました。
使用済みのトナーは、専門のリサイクルメーカーや業者によって回収された後カートリッジに不備がないかを検査され、部品交換や洗浄を行い、インクを補充した上でリサイクルトナーとして再び販売されます。リサイクルされた商品ということもあり純正品よりも安価で手に入り、エコロジー精神やランニングコストの観点から、あえてリサイクルトナーを選ぶ企業も多いようです。
安く手に入りコストパフォーマンスに優れているリサイクルトナーですが、一方で純正品と比較すると不良品の割合がやや高い傾向にあり、印刷のクオリティも劣るといった声が聞かれることもあります。ですがメーカーによってはリサイクルトナーの品質管理に厳しい基準を設けており、純正品に近い高品質のリサイクルトナーを販売しているところもあります。
リサイクルトナーの捨て方は主に4種類
リサイクルトナーはその特徴から、純正品のようにメーカーや家電量販店などにある回収ボックスでは回収してもらえないケースが多くあります。そこでここではリサイクルトナーを処分する際に知っておきたい4つの方法についてご紹介します。
リサイクルトナーの製造メーカーに回収してもらう
リサイクルトナーを製造しているメーカーの一部では使用済みトナーの無償回収を実施しています。回収方法は主に「メーカーの指定した回収拠点に持ち込む」「訪問回収を依頼する」「メーカーに送付する」となっており、利用者自身が選ぶことができます。
この方法を選ぶ際に注意したいのが、メーカーの中にはリサイクルトナーを回収の対象外としているケースがあるということです。元々の製造メーカーと、リサイクルし再販売を行っているメーカーが違う場合には回収を断られるケースも多々あるため、廃棄を依頼する際には事前に相談し回収ができるかどうかを確認する必要があります。
リサイクルトナー販売業者に引き取ってもらう
リサイクルトナーを販売している業者では、使用済みトナーの回収を行っています。業者によって回収の対象となるトナーにばらつきがあり、自社から購入されたものに限定している場合や、他社で購入したものでも回収してくれる場合もあるためまずは問い合わせてみるのが良いでしょう。
回収方法は使用済みリサイクルトナーを利用者が梱包し、業者に送付するという方法が一般的です。その際に掛かる送料は殆どの場合業者が負担することになります。
不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者の一部では、リサイクルトナーの回収が行われています。業者によって回収方法は異なりますが、ほとんどが出張回収か、利用者自身が梱包し業者に送付する形になります。その際に掛かる送料は不用品回収業者が負担するのが一般的です。
使用済みリサイクルトナーの回収は業者によって無料で依頼できるケースと、処分費用を負担しなければならないケースと2通りあるため、あらかじめよく確認し依頼をするようにしましょう。
産業廃棄物で処分するという方法もある
リサイクルトナーは一般ごみとして廃棄することはできません。
そのため、廃棄する際には自治体指定の産業廃棄物業者に処分を依頼することになります。しかし、リサイクルトナーは処分のプロセスで危険を伴うため、回収を拒否する業者も多く依頼をする際には事前に問い合わせる必要があります。
そもそもなぜリサイクルトナーは一般ごみとして廃棄できないのか?
そもそもなぜリサイクルトナーは一般ごみとして処分できないのか、と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。これはトナーにはその構造上処分の途中で粉塵爆発を起こす可能性があるからです。トナーには印刷する際に利用される細かな顔料の粒子が充填されており、たとえ使用済みであっても内部にはその粉が残った状態にあります。
それが廃棄処理を行う際に舞い上がり粉塵爆発を起こす危険性があるのです。実際にごみ処理施設でトナーの粉が原因となった爆発、火災が発生した事例もあり、トナーを一般ごみとして廃棄はできないのです。
未使用・使用途中のトナーを廃棄する場合は?
未使用あるいは使用途中のリサイクルトナーの廃棄方法についてはそれぞれ方法が異なります。未使用かつ使用期限内のリサイクルトナーについては不用品買取業者に買い取ってもらえることがあります。買取を行っているかどうかは業者によって違うためまずは相談してみるのがよいでしょう。
そして使用途中、また使用期限の切れてしまったリサイクルトナーに関しては、通常の使用済みリサイクルトナーと同じように廃棄することができます。ですので廃棄する際にはメーカー、業者の指示した方法に従って処分してください。
模倣品・模造品は回収対象外である場合がほとんど
近年、メーカーの純正品を模した模倣品、模造品が多く出回っていますが、これらは純正品と比べ品質が悪く、知的財産権を侵害している場合もあり販売、購入は推奨されていません。また廃棄される際も同様で純正品、リサイクルトナーの回収を行っている多くの業者では模倣品、模造品の回収を拒否されるケースが殆どです。
そのため正規の方法で廃棄することが困難になるケースもあり模倣品、模造品の購入、使用には注意が必要となります。
回収されたトナーはどうなる?
メーカーや業者によって回収されたトナーは、リサイクル業者によって部品交換、洗浄、インクの補充、そして厳正な品質チェックを経て再びリサイクルトナーとして販売されます。また、大きな破損や品質劣化により再生が難しいトナーもプラスチックや金属など再利用できる部分は集められ別の製品の製造に活用されます。
リサイクルトナーを正しく廃棄して環境にやさしくなろう
リサイクルトナーは本来環境保全に配慮したエコロジーな製品ですが、その一方で廃棄の方法を間違えてしまうとかえって環境に悪影響をあたえてしまうこともあります。
また面倒だから、処分方法がよく分からないからと一般ごみとして捨てたり、不法投棄をしてしまうと思わぬ事故や、環境破壊につながりかねません。
そんな事態を引き起こさないためにもリサイクルトナーは正しい方法で廃棄するよう気をつけましょう。